1000冊の記憶

1000冊以上本を読むともう内容が曖昧になってくるのでちゃんと感想を残します http://booklog.jp/users/f_t812

2020-01-01から1年間の記事一覧

三宅陽一郎「人工知能が「生命」になるとき」を読んだ

書店に行ったらサイン本があったから買ってしまった.これまで三宅先生が出してきた本と同様に西洋と東洋の感覚の違いから人工知能を論じる珍しい本. 機能として論じる西洋の人工知能と初めからそこにあって混沌の中から見つけ出すものとして論じる東洋の人…

利根川進 立花隆 「精神と物質」を読んだ(2回目)

10年以上ぶりに読んだ.最初は高校時代に国語の先生に教えてもらった本だった気がする. 今読み返してみると理解度が格段にあがっていて読み応えがあった.福岡伸一先生の本をいくつか読んだから知らぬ間にこの分野の知識が増えていた. ただようやくわかっ…

小林忍+共同通信取材班「昭和天皇 最後の侍従日記」を読んだ

昭和天皇の侍従としてつとめ,崩御のあとは皇后の侍従も努めた小林氏の日記. 昭和から平成にかけての宮内の慌ただしい様子や,天皇の日常生活などが垣間見れる. これを読むと昭和の終わりのゴタゴタの様子が良くわかり,平成時代の天皇が生前退位を申し出…

半藤一利+保坂康正「昭和の名将と愚将」を読んだ

本屋で見かけて買ってみた本.歴史を振り返ってみて名将・愚将を決めるのは簡単かもしれないけど, 自分がその立場にいたらどういう判断ができたかはやっぱり難しいよなと思わされた. これも勝者と敗者が違ってたらまた評価が違うんだろうなぁ.

東野圭吾「ブラック・ショーナンと名もなき町の殺人」

東野圭吾の新刊.久しぶりにまともなミステリーだった気がする. この叔父さんもしかしたら今後何回か出てきたりするのかなぁと思った.最近多かった,ちょっと未来のSF入った感じの作品とは違って至極真っ当な日常にありそうな内容だったので逆に新鮮だった…

伊藤祐靖「国のために死ねるか」を読んだ

twitterで流れてきて知った本だったかな? 非常に読み応えのある本だった.思想的にはやや極端で著者と世代の差もあり受け入れるのが難しいものもあったが,全体としてはいろいろ考えさせられる本で面白かった.

西尾維新「扇物語」を読んだ

あと何冊続くのか知らんけどまだまだ続きそうな予感のある一冊を読んだ. 主人公が大学生の頃のお話.珍しくちゃんとした怪異譚だった気がする. そして珍しく最後の話が次に続いた.というかちゃんと続くのかこれ?という感じで続きになった.

秋山真之「海軍応用戦術」を読んだ

先に読んだ基本戦術に続いて応用戦術も読んでみた. かなり昔の言葉遣いに慣れたと思う.ものすごく事細かにいろいろな場面が描かれていてここまで詳細に描けるものかと感嘆した. また過去の海戦事例などもしっかりと読み込まれて当時の時代に合わせて考察…

山本貴光「記憶のデザイン」を読んだ

ツイッターに流れてきてタイトルが面白そうだったので読んでみた.この手の本は小難しい抽象論が延々展開されているものが多くて途中で読む価値がなくなることが多いけど,この一冊は違った.攻殻機動隊やホームズの例が出てきたり,なかなかに面白くて最後…

森博嗣「馬鹿と嘘の弓」を読んだ

森博嗣の新刊.恥ずかしながら書店で並んでいるのを見かけて新作が出ていることに気がついた一冊. 登場人物は加部谷さんと小川さんだったけど,もう昔のシリーズ忘れちゃってるから繋がりがイマイチはっきりしなくてもう一回読み直そうかと思った.なんとい…

高木瑞穂「売春島」を読んだ

三重県にある渡鹿野島に関するノンフィクション本.バブル期を経て伊勢志摩サミット直前まで大勢の人で賑わっていたというのだから驚き.こういうのって昭和の話だと思ってた.内容は登場人物にがやや大袈裟に描写されている感があるものの,近年の衰退の歴…

安永英樹「肉声」を読んだ

有名な宮崎勤の取り調べの際のテープを基にした書籍.イマイチ中略の入った文章にされると内容がよくわからなかったけど,どんな事件だったのかはなんとなくわかった.最後まで読んでみて思ったのはこの犯人がどういう動機で犯行に及んだのかはわからないま…

秋山真之「海軍基本戦術」を読んだ

河野太郎氏のツイートに出てきたから気になって読んでみた.机の上だけで思考した内容ではなく実施するにあたり座学と実践では全く違うということをしっかりと考慮した上で書かれておりさすがだと思った.それだけではなく国内・海外,陸戦・海戦,現在・過…

柳田邦夫「人生の一冊の絵本」を読んだ

このひと柳田國男と別人だよね,紛らわしい.たまたま書店で見かけてタイトルが気になったから購入してみた.絵本をいろいろと紹介していてそれはそれで面白いんだが,如何せん絵を文字で説明しているから途中から眠くて仕方なかった.ただ時折非常にいいこ…

立花隆「新装版 思考の技術」を読んだ

久しぶりの立花隆の一冊.「自然科学も,自然のモデル化という投影操作を抜きにできない以上,いかにそれが科学的に見えようとも,現実に対しては,一種のフィクションでしかないのである.」 自分にはまだ知らないことがある,認識できていないことがあると…

SHIROBAKO_劇場版を観るためにおさえるテレビ版

13 「好きな雲って何ですか?」 ずかちゃんと先生,「自信と覚悟」 つづく.

住野よる「君の膵臓をたべたい」を読んだ

前から話題にはなっていて映像化もされていたけど,ずっと積読になってた.いわたま選書を全て読み終えたので読んでみた.セカチューの焼き直しかと思ったけど,案外そんなことはなかった.主人公の人となりは大学時代の自分なら好きになっていそうな感じだ…

石田衣良「獣たちのコロシアム」を読んだ

池袋ウエストゲートパークシリーズの最新作.今回のメインは児童虐待の話.そのほかに短編が3つ.ちょっと遅いけど時期を捉えたタピオカが題材の話もあったりするので発刊当時なにが流行っていたか知るには良いシリーズかも.内容としては,どうもシリーズの…

宮部みゆき「R.P.G」を読んだ

いわたま選書最後の一冊.久しぶりの宮部みゆき作品.タイトルからファンタジー物かと勝手に思っていたら普通のミステリーだった.自身の家族に不満を抱きネット上に擬似家族を形成する男性が描かれていたが,それ以上にこの登場人物で気になったのはその自…

原田マハ「楽園のカンヴァス」を読んだ

いわたま選書の一冊.あまり馴染みのない美術品・絵画を題材にした作品だった.日本語の表現がとても綺麗で読みやすい作品.ただ物語の展開はもう少し起承転結があってもよかったんじゃないかなと思った.トムとティムのスペルミスや大元の依頼人は初めから…

鹿子裕文「へろへろ」を読んだ

いわたま選書の一冊.なんというか色々なことが詰まりに詰まった本だった.お年寄りのための施設のあり方から,もっと大事な人として仕事をしていく様のようなものを突きつけられた感じがした. 「でも前例がないからとか,保証がないからとか,そういうこと…

原尞「そして夜は甦る」を読んだ

いわたま選書の一冊.時代設定が今から30年以上前の昭和の時代のミステリー.JRが国鉄,登場人物がどこでもタバコを喫っているなど時代を感じた.肝心の内容は私にとってはちょっとイマイチだった.突然とんとん拍子に物事が上手く行き始めたり,直接的な表…

笠井一子「配膳さんという仕事」を読んだ

いわたま選書の一冊.こんな世界があるのかと思わされると同時にネットが発達して世界中がつながった今だともう絶対生まれない文化だろうなと考えさせられた.改めて文化ってなんだろうなと思い返してみると,全体からは独立した地域・集団が長い時間をかけ…

穂村弘「君がいない夜のごはん」を読んだ

いわたま選書の一冊.タイトル見て悲しい感じの小説かと思ったらエッセイ集だった.物を書く人の感性の鋭さとかそういう発想があるのかみたいな箇所が随所に見られた. でもこの本のおもしろさがわかるのはもうちょっと後かなと思う.

木下斉「凡人のための地方再生入門」を読んだ

いわたま選書の一冊. 選書の中でも異彩を放つ一冊で良くありがちなノウハウ本かと思ったらそうでもなかった.小説仕立てになっていてちょっと表現や展開がクサイ部分もあったけど久しぶりに血肉の通った仕事に触れた気がした. こういう働きかたがしたいん…

伊坂幸太郎「逆ソクラテス」を読んだ

発刊されてからだいぶ放置してしまっていたけどようやく読めた.短編集でいつも通りパラグラフごとに視点や時間が変わる形式だった.一貫して語られていたのは正直であれってことかな?

二宮敦人「最後の秘境 東京藝大」を読んだ

いわたま選書の一冊. やはり東京には面白いところがあるなと思った.東京藝大の文化祭行ってみたい.フラッとキャンパス歩いてみるだけでもおもしろいのかもしれんなぁ.

森博嗣「幽霊を創出したのは誰か?」を読んだ

なんか作品の雰囲気変わったのかな?テレビアニメが原作に追いついちゃって仕方なくアニメオリジナルの内容放送してるような作品だった.これまでの大きな流れどこいっちゃったんだろ.未来の可能性を突然思いついたから描いてみましたみたいなことなのかな.…

益田エミリ「世界は終わらない」を読んだ

いわたま選書の一冊.文庫本だったので小説家と思ったら漫画でした笑こういうの好きです.主人公の後輩が「それ儲かりますか」とか「自分の仕事増やすだけでしょ」って言ってきても惑わされず,絵本コーナーをもっと良い場所にしようとする感じ,あぁ,こう…

西尾維新「ネコソギラジカル下」を読んだ

結局一気読みしてしまった,戯言シリーズ最終章最終巻.絵に描いたようなハッピーエンドで良かったんですが,結局思わせぶりな6年前の出来事とやらは描かれないまま(まぁ予想通りですが).それなりに面白かったのでよしとします.