1000冊の記憶

1000冊以上本を読むともう内容が曖昧になってくるのでちゃんと感想を残します http://booklog.jp/users/f_t812

2018-06-01から1ヶ月間の記事一覧

湊かなえ「少女」を読んだ

湊かなえ2冊目.これまた複数の視点で進行していくスタイルで,二人の少女のすれ違いを描いた物語でした.前作の「告白」ほど生臭い感じはしなかったにせよ,認知症やそれを取り巻く家族,痴漢の冤罪被害など少し前に話題になった社会問題を構成要素として取…

湊かなえ「告白」を読んだ

最近色々なところで名前を聞いたので読んでみました.最初は人間の内面を描いた独白かと思いましたが,章が進むに連れで全く違う様相を呈しました. 話は校内で娘を亡くしたある女性教師の挨拶から始まりますが,章ごとに目線がどんどん移っていって最終的に…

森博嗣「天空の矢はどこへ?」を読んだ

Wシリーズ最新刊を早速読みました. 最近の森先生の本は過去の作品の点が線のように繋がっていくパターンが多くて全刊などは最後の最後に吃驚させられましたが,今回はそのパターンは大人しめでした. ただその代わりと言ってはなんですが,「すべてがFにな…

西尾維新「宵物語」を読んだ

八九寺真宵のための物語だった.最近の物語シリーズは怪異譚というよりは推理小説みたいな傾向が強くてこの本も最後の方まではそんな感じかなと思ってたけど,そうじゃなかった.八九寺だからできること,八九寺が神社にいる意味みたいなものが凝縮されてる…

福岡伸一「プリオン説はほんとうか?」を読んだ

狂牛病やスクレイピー,ヤコブ病の原因とされるプリオン説.今の所この説を唱えた学者がノーベル賞を受賞しており,様々な検証結果から真実に近いと思われているものの,本書ではそれに疑いを持った今一度様々な角度から検証をしている. 本書の最後では福岡…

R・ダグラス・フィールズ「もうひとつの脳」を読んだ

DeepLearningが脳のシナプスの動きを模した機構を備えており,その学習力がAIを産む可能性まで示唆されている昨今で,実はニューロンだけが脳の動きではありませんでしたというなんとも刺激的な内容だったので読んでみた. 読んではみたもののニューロンの動…