1000冊の記憶

1000冊以上本を読むともう内容が曖昧になってくるのでちゃんと感想を残します http://booklog.jp/users/f_t812

川添愛「ヒトの言葉 機械の言葉」を読んだ

「自動人形の城」の著者の新書本.書店で目についたので買ってみた. 理解するとはどういうことかとか,言葉の意味を知っているだけでは会話が成り立たないというところは兼ねてから考えていたことの整理ができた感じ. ただしこの本の対象者はおそらく機械学習とかAIに馴染みのない人とか初学者だったと思う. この本のまとめとして書かれていたが,そもそも他者が知性を持っているかは人間同士でも外的な反応でしか判断できず,それを踏まえた上でAIが知性を持っているかを判断した場合に我々の意識が大事になるということが書かれていたが,この部分は先に読んだ三宅先生の東洋的な人工知能と西洋的な人工知能の捉え方がもう少し詳しいのではないかと思った. 東洋的なドラえもん鉄腕アトムに代表されるように仲間として捉える感覚ならば問題ないが,あくまで機能的に判断され人の脅威になるとされやすい西洋では気の遠くなるような議論が巻き起こるんだろうなぁと思った.