- 選書の理由
久しぶりに立花先生の本を読んでみたくなったので購入。久しぶりだったので自分が医療系の話に弱いの忘れていた。電車の中とか外では読めない。貧血起こして倒れるかもしれない。 - 書評
著者が冒頭で説明しているが、本書はNHKで放送された番組の原書的な内容である。従って今回放送を見ないまま読んで見たものの、若干のわかりにくさはあった。
内容としては第一章で番組を作成するにあたって行われた取材内容がメイン、第二章として著者のがん手術体験がメインとなっている。第一章では番組の宣伝が多くを占めているものの、がんとは何なのかから始まりその根本治療の難しさ、ひいては人生とは何なのかとう所まで実際のがん患者へのインタビューを交えて展開されており非常に考えさせられる。
第二章では著者が実際ががんの宣告を受けるところから、その時の心境に至る原因まで描写されており手術の方法から心境の変化まで非常に詳細に描かれている。しかしながら描写が詳細すぎる故、心的な気持ち悪さを覚えてしまい手術部分はじっくりと読むことができず文章の表面部分を飛ばし読みしながら何とか内容だけは追っていった。それぐらい精密な描写だったと思う。。 - -メモ
がん細胞のメカニズム、しぶとさを知るに連れてもはやがん細胞は細胞単体として進化した形ではないかとさえ思えてくる。人間という生き物が細胞ひとつ一つではなく、その集合体として情報での価値を持っているのに対してがんは細胞ひとつひとつが価値を持っているものだとしたら細胞のがん化は細胞それ自体としては進化したとみて良いだろう。ようやく人間、生物という情報体から生きることを奪い返したともみられなくはない。
第一章の終わりで生きる、生命とは何かということを考えさせられた。先の福岡伸一先生の著書のような生命科学的な生命ではなくて人が生きていく人生とは何なんだろうと思いを馳せずにはいられなかった。今自分は自分の人生に終わりがあるのだということを単純な知識としてしか受け止められていない。これがもし病気にかかってあと何日の命ですと言われたら、まず間違いなく今のこの心境には戻ってこられないことだけはよくわかる。