1000冊の記憶

1000冊以上本を読むともう内容が曖昧になってくるのでちゃんと感想を残します http://booklog.jp/users/f_t812

2018-01-01から1年間の記事一覧

小保方晴子「小保方晴子日記」を読んだ

人を殺した訳でも金を盗んだ訳でもないのに人をここまで追い詰めるマスゴミってなんなんだろうなと思った.バックについてるのはこういう週刊誌とかを読んでる暇人なんだろうけど正直こういうい人種ってよくわからん. 確か養老孟司先生の本だったと思うけど…

東野圭吾「魔力の胎動」を読んだ

「ラプラスの魔女」の前日譚.物語は魔女ではなくある悩みを抱えている青年の目線で始まっており,まだ10代半ばの魔女がところどころに絡んでくるショートストーリィで展開されていく.以前の作品もそうだった気がするけれど,テーマはLGBTとかもっと目線…

福岡伸一「やわらかな生命」を読んだ

装いが素敵な本.とても綺麗で思わず魅入ってしまう表紙だけどこれが何かはあとがきにちゃんと書いてありました. 本書は福岡先生が雑誌で連載していた記事をまとめたものです.生物学に関する話とかフェルメールに関する話とか先生が普段考えていることがつ…

野村克也「野村のイチロー論」を読んだ

野村克也氏によるイチローの批評だった.氏はイチローと直接話したことはないらしいが,それでもこれまでの成績や報道される言動からイチローについて評価を下していた.内容としては野村氏がヤクルトの監督だったころ日本シリーズで如何にイチローを抑えた…

山白朝子「私の頭が正常であったなら」を読んだ

著者山白朝子となっているけど乙一の別名ではないかと言われている人の作品です.乙一の初期の頃の作品を彷彿とさせるようなグロテスクな内容がちらほら見受けられた.心臓の弱い人は外で読むのに注意が必要. 短編集だったが多くの作品では死者との別れを悲…

半藤一利「世界史のなかの昭和史」を読んだ

主に大正時代の終わりから,ドイツ・ソ連・アメリカの動向と日本の歴史が描かれている.ただし各国の歴史を年表のように並べたものではなくある程度時代を集約しながら,当時の状況が調査されている.また大正末期から昭和初期の動静について世界史に目を向…

養老孟司「半分生きて,半分死んでいる」を読んだ

養老孟司ってこんな人だったかな,という印象を持った本だった(悪い意味で).体格の良い人間が必死になって100mを走っている意味がわからないだの,そう言われたら傷つくだろうから言わないだの,いかにもな年寄りになってしまっている.そんなことをして何…

森博嗣「血か,死か,無か?」を読んだ

ちょっとだけ読もうと思ったのに気づいたら読み終わっていた.いつも通り森先生が普段から色々なことを常に考えている,というか思考している方だということを感じさせられる内容だった(その最たる例は「犀川はすぐに答えた.」の一文だと勝手に思っている)…

立花隆「知的ヒントの見つけ方」を読んだ

氏が2013~2017年頃にかけて雑誌に投稿した記事のまとめだった.従って今読むと若干内容の古いものや予測外しているものが見られるものの,非常によく取材された内容で他の記事よりも完成度が高いと思う. 氏が記事中でも書いている通り,日本を科学技術立国…

福岡伸一「せいめいのはなし」を読んだ

福岡先生の本は有名どころは全て読んでしまったから,どこかで聞いたことのある話ばかりだけれど,それでも面白い.本書は複数の人物との対談の形を取られているので,自分が本を読んだ時には考えもしなかったこと,理解できていなかったことがわかりとても…

西部邁「保守の真髄」を読んだ

冒頭の解題から,なんだこの文章はと思えるような強烈な表現・難解な表現のてんこ盛りで著者の並々ならぬ想いというか魂の叫びのようなものが重くのし掛かってくるようだった. 最初の数章を読んでみようかと思っていたが文章にあてられそうだったので,一度…

佐藤優「一触即発の世界」を読んだ

久しぶりに氏の著書を読んだ.これまでの著書と違わず新聞や報道からどのように情報を読み取るかについての知見に面白さがある.もともと外務省でソ連を担当していただけあって毎回ロシア関係の著書が多く,今回の著書も安倍総理とプーチン大統領の山口県で…

司馬遼太郎「最後の伊賀者」を読んだ

タイトルは忍者ものだけど中身は短編集で最後は道頓堀の由来にまで発展していった.司馬先生の忍者モノといえば「梟の城」が好きだったけど,久しぶりに忍者モノ読んでみると忍術っていうのはいかに人を幻惑させるかにかかっているのがわかる. あとは円山応…

司馬遼太郎「王城の護衛者」を読んだ

会津藩藩主松平容保の伝記を中心とした短編集.学校の教科書では描かれていない会津藩主の家柄や幕末京都守護職を受け入れるまでの松平春獄や一橋慶喜との問答・葛藤が面白い.政治謀略や謀を得意とした長州藩や薩摩藩と比して会津藩及び容保はその方面に置…

司馬遼太郎「北斗の人 下」を読んだ

江戸後期に千葉道場を開いた千葉周作の伝記.奥州に生まれた周作が剣のみでいかにその流派を完成させ,江戸に大道場を開いたかが司馬先生の手で小説の様に語られている. 江戸時代の道場が今でいうサービス・商品と非常に類似点が多いことがよくわかる.繁栄…

「看護婦が見つめた人間が死ぬということ」を読んだ

いくつもの死を見てきた看護婦がその実例を文章にする中で,自身が死というものをどう捉えているかが描かれている,とても考えさせられる一冊だった. 看護婦が見つめた死なので一例を除いては病気でなくなった人たちの実例で構成されてはいるものの,病気や…

司馬遼太郎「北斗の人 上」を読んだ

あの坂本龍馬も通ったという北辰一刀流の始祖千葉周作の半生を描いた物語.同じ司馬作品「竜馬が行く」をでは脇役でしかなかった北辰一刀流の始まりが主役.これを知れば「竜馬が行く」の味わいもまた変わってくると思う. 万物は流れの中にあって人間という…