1000冊の記憶

1000冊以上本を読むともう内容が曖昧になってくるのでちゃんと感想を残します http://booklog.jp/users/f_t812

柴崎友香「わたしがいなかった街で」

※ネタバレ注意
池袋の大型書店の特集本棚で偶然見かけた本。なんとなくタイトルに惹かれて裏面のあらすじがちょっとだけ気になったので買ってみた。こういうのはジャケ買いじゃないよな、なんていうんだろ、タイトル買い?もしくはあらすじ買いとか?

  • 読中メモ
    「わたしがいなかった街で」

    • 一文ずつがちょっと長くて慣れないと読みづらい。昔の日記見ながら描写されてる場所を訪ねて想像を膨らませるのは結構好きかも。
    • なんだろう、ひどくゆったりしたものを読まされてる感がある。半分ぐらいまで読んだけど、まだ何を読まされてるのかよくワカラナイ
    • 一心寺の骨で作った仏像とやらがちょっと気になる。実話?
    • 「親父も話そうとしなかったけど、おれのほうも、結局一回も聞こうとしなかった」戦争体験を後世に語り継ぐなんてことは戦争を知らない世代の軽々しい思いつきでしかないのかもしれない、と感じた。
    • 風景や景色を見て素直に感動したり涙を流したりできるようになるためには、自分の感性もさることながらこれまでの人生の経験をどれくらい噛み締めているかも重要なんだろうなと思った。
      「ここで、ここで」
    • 橋の上でiPhoneで写真を撮っている描写で、なぜかこの前山口県の萩の街で写真撮ったことが想起されて急に松陰神社とか橋渡りきったところにあった和菓子屋が懐かしくなった。
    • それでも変わらないのは、父が、彼女が生まれたのを知らないこと。
  • 読後感
    「わたしがいなかった街で」
    不思議な読後感を持った。描写されている時代が現代から戦時中に、また現代も季節が流れて行っているし、視点もいろんな人物に変わっていっているのにずっと一箇所に止まって何かを考えさせられているような感覚におちいった。現代にありがちな日常と過去に戦争が起きた場所の描写が併記されていて不思議な感覚のままどこにも行き着くことなく終わってしまった感じ。

わたしがいなかった街で (新潮文庫)

わたしがいなかった街で (新潮文庫)