1000冊の記憶

1000冊以上本を読むともう内容が曖昧になってくるのでちゃんと感想を残します http://booklog.jp/users/f_t812

本多孝好「MEMORY」2回目

※ネタバレ注意
「MOMENT」「WILL」と立て続けに読んできた。やっぱりシリーズは一気通貫で読むと細かい部分がちゃんと繋がって面白い。刊行時期に合わせて読むと期間が空きすぎてどうしてもあやふやな部分ができるから。まぁ真賀田四季ばりの記憶力があれば話は全く違うけど。

  • 読中メモ

    • 第1章 言えない言葉 : なんとなく、本当に微かな違和感、というか願望のようなものを感じながら読んだ。最後の最後、望んだというかもしかしてと思ったものとは違ったけど、これはこれで心地の良い終わり方だった。
    • 第2章 君といた : ティッシュ。この一言に尽きる。連続で読んでよかった。
    • 第3章 サークル : 森野が孤独な理由はなんだろう。両親が亡くなったこととは関係が内容だ。むしろ傾向が加速しただけで昔からそういう人間だったっぽい。
    • 第4章 風の名残 : 神田単体の話。これははっきり言って難しい。読んだ直後にもう一度読む必要があるかも。
  • 読後感
    MOMENT、WILL 、MEMORYをとして最後の最後まで描かれ続けていたのは不器用な幼馴染の二人だった。お互いに自分が不器用なことに気づいていなくて、自分の視座で相手を見れば相手はとても成熟した人間のように描かれていたのがWILLまでだったけど、最後MEMORYで第三者の視座が登場したことによって二人ともに不器用で歪曲していたことがわかる、なんとも微笑ましいストーリィだったなぁ。「彼女は彼が私に振られるようにそんな手紙を書いたんじゃない。本当に彼の想いが実るように、考えて、考えて手紙を書いたのだ。」WILLを読んでいるとこの一文は涙が出そうになる、というか涙がでた。MOMENTで森野がクールに描写されていればいるほど、WILLやMEMORYを読んで泣かずにはいられない。

MEMORY (集英社文庫)

MEMORY (集英社文庫)