被害者・加害者共に身内で関係者となった家族やその周りの家の人間を描いた作品.高級住宅街に昔から住んでおり雰囲気を守っているという歪んだ自覚をもつ人物などは面白かったが,内容的にはちょっと甘いかなという感じだった.
最近出た小保方晴子氏の自伝などこの作品よりももっと奇想天外でドロドロの人間関係を描いた作品はあったように思う(すぐに名前は出てこないが).まあ夫を殺してしまった妻の描写がほとんどないことや,最後マスコミの記事風に書かれたことの顛末などから想像せよという話なのかもしれないがもう少し描けたのではという気がしないでもない作品だったと思う.