1000冊の記憶

1000冊以上本を読むともう内容が曖昧になってくるのでちゃんと感想を残します http://booklog.jp/users/f_t812

福岡伸一「変わらないために変わり続ける」

  • 選書の理由
     最近,福岡先生の著書は文学(物語)と認識している.描画される文の綺麗さや表現はとてもサイエンスを書いているとは思えずあたかも小説を読んでいるような気にさせられる.好きな作家が見つかればその人の著書は気がすむまで読みたくなるのでその一環.

  • 書評
     福岡ハカセのニューヨーク生活のエッセイのような作品だった.前半はかなり科学的な内容の話だったが後半にいくにつれ,ハカセの趣味や日常に関するものにシフトしていった.ので,一言で言えば前半はかなり面白くてどんどん読み進めてしまったが,後半はやや読書スピードが鈍って何読んでるのかわからなくなった.
     もう少し科学科学した本が読みたいなぁ.

  • メモ
     本を読んでいると,時折(というか頻繁に)内容がガラリと変わる瞬間がある.例えば章立てが変わる際であったりとか,小説であれば時間軸・空間が飛んだりとか.そういう場合,本はどうやって読んだら良いんだろう.次の話を早く読みたい気はするものの,それまでの物語の余韻に浸りたい気持ちもある.それから内容が大きく変わるなら一度テンションを落ち着かせたい.熱中しながら読んでいると気づかないうちに文字通り頭に熱が篭ったような状態になる.今まであまり意識していなかったけど,この本を読んでいて久しぶりにそんな感覚になった.そしてこの感覚は普段なら気づかずにやり過ごしてしまっていたかもしれないけど,先に読んだ養老先生の本に刺激されて自分の感覚をもう少し意識してみようと思っていたから捉えられた.他にも同じように,身体は何か感じているのに意識が無視してしまっているものが多くあるんだろうなと思うとなにやら空恐ろしくなってきた.