1000冊の記憶

1000冊以上本を読むともう内容が曖昧になってくるのでちゃんと感想を残します http://booklog.jp/users/f_t812

「グローバリズムが世界を滅ぼす」

  • 選書の理由
     ニュースアプリを見ていたら出てきて、書評が面白そうだったので購入。もしかしたら自分が常々思っていることに近しいことが書いてあるんじゃないかと期待。

  • 書評
     端々にとても強い言葉が使われている。また比較対象となる相手についてはネガティブな情報のみをふんだんに盛り込み、自社目線の企業には賛賞の嵐。相手を攻撃するときは徹底的に攻撃しようとしているものの、著者の能力不足のせいか全く論理になっていないので強い言葉で誤魔化そうとしているようにしか思えない。  駄本。読む価値なし。読むと論理に弱くなり、威勢のいい攻撃的な言葉が身についてしまう。無論そんなことになったら周りにはあなたの虚勢がバレ、孤立していくだけだ。この本はそんな危険を孕んでいるゴミ本。読んで後悔。

  • -メモ
     グローバリズムが世界を滅ぼすという何とも刺激的なタイトルだが、書かれたのがちょっと前なのでまだオバマ政権の話をしていたりアベノミクス第二の矢ぐらいまでしか出ていない。ところでグローバリズムによりEUなどのような地域ては国家間の格差が、またドイツのように一人勝ちしている国でも国内の格差が広がってしまうという問題が提起されそれをグローバルのせいだと主張している。その根拠として規制がなくなってしまったことなどが挙げられているがいまいち納得できない。第1章を読む前に自分が考えていたことはこうだ。グローバル化が進んだことにより人・モノ・金・情報が瞬時に世界中に行き渡るようになった。結果世界中の人の知識が一元化され各地方または個人のオリジナリティがなくなり考え方に多様性が失われた。その流れで新技術の停滞が起こり、経済が回らなくなりつつある。
     インターナショナリズムグローバリズムは国境の考え方でその意味を異にするのか。勉強になる。
     グローバル化がとことん気にくわないらしく、この本の著者はグローバル化をけなしてばかりいるが、ネガティブな面ばかり強調しているので逆に信憑性に欠ける。例えばグローバル化が進むとお金の移動が極端になり経済が弱体化すると言っているが、ではもし今の状態を過渡期と捉えたらどうだろうか。お金が通貨という概念を超えて世界で統一の価値基準を持ったお金が登場したら。すると国家単位での景気の浮き沈みではなく純粋に各企業での業績の良し悪しになるだろう。そうした場合に国家、国というものは意味をなすだろうか。もちろん経済的な意味でだが。すでにEUの場合にしても資本主義の中で国という単位に固執してものを考えていること自体が古いように思えて仕方がない。
     「では、思考を停止するのはどんな人間でしょうか。それは「凡庸な人間」です。凡庸な人とは、心の力がもともと弱い人、あるいは心なき人ですので、すぐに思考を停止してしまう。」ウソだろ。。論理もへったくれもあったもんじゃない。一個も意味がわからない。思考停止ならまだしも停止せずにゴミみたいな思考能力で考えを発展させていくとこんな本が出来上がるんじゃなかろうか。
     自分が攻撃したい相手の不利な情報はバンバン出して、自分の主張は自画自賛。全く公平性に欠いた議論がずっと展開されている。読むと文章が下手になるので読まない方が良い本。