1000冊の記憶

1000冊以上本を読むともう内容が曖昧になってくるのでちゃんと感想を残します http://booklog.jp/users/f_t812

福岡伸一「ナチュラリスト 生命を愛でる人」を読んだ

 福岡先生の他の著書でも何度か紹介されているドリトル先生の故郷から出発し,ナチュラリスト,日本語では博物学者とはどういう人なのかを様々な実在の人物を紹介しながら考察した本.  私自身は機械や電子回路といった方向に幼少の頃から強い興味を抱いているので昆虫などの生物について夢中になることはほとんどなかったが,昆虫に興味を抱くということは突き詰めていくと生命とは何かという問にぶつかり真に奥が深い分野だと思った.対象的に機械や回路などを相手にすると行き着く先が人間の創造物にしかならないのでそのあたりで深みが違うなあという気がした(これがロボットとなるとまた生命とはみたいな問にぶつかるので話が別).  いずれにせよ例の「羆撃ち」を読んで以来,フィクションものの小説は全く面白くなくなってしまったし,やれ殺人事件の真相だのどこかの組織の闇だのといった暗いノンフィクションものにも興味を抱けなくなった.というか単純に読んでも面白くない.これからはノンフィクションの明るい感じの書物を探していくことにした.