一万円選書の一冊.落語家でありながらボクサーとして世界チャンピオンになるというフィクション物. 普通の小説だった.小説の中で主人公が落語家なのかボクサーなのか迷っていたように,落語家としての描写もボクシングの描写もどっちつかずで試合が始まったと思ったら夢オチのように勝っているパターンが最後まで続いてあんまりおもしろくなかった. 題材としては師匠の死を予感しながら世界チャンピオンに上り詰めて,最後師匠の死に際に会えなくて...みたいなストーリーだったが20歳前後の若者らしい苦悩がさらりと書かれているだけで濃厚な感じもないし時間つぶしにはなるかなという程度.