1000冊の記憶

1000冊以上本を読むともう内容が曖昧になってくるのでちゃんと感想を残します http://booklog.jp/users/f_t812

立花隆「知的ヒントの見つけ方」を読んだ

 氏が2013~2017年頃にかけて雑誌に投稿した記事のまとめだった.従って今読むと若干内容の古いものや予測外しているものが見られるものの,非常によく取材された内容で他の記事よりも完成度が高いと思う.
 氏が記事中でも書いている通り,日本を科学技術立国と評した内容にはかなり楽観論が入っているように感じた.部品や素材としての日本の強みも数年前ならいざ知らず今となってはそこまでの強みではないだろう.また地熱や太陽光発電などの技術革新に対する期待も今のところ氏の予測ほどには進化していない.
 この手の書籍は悲観的になるほどに日本の問題点が浮き彫りになりある種メッセージ性の強いものになると思っているが,ややそれが薄れているように感じた.