※ネタバレ注意
1000冊以上読んできた中でも1、2を争うぐらい好きな本。最初に読んだ時は感動して虚脱感しかなかった。帯にはミステリィって書いてあるけど純文学な気がする。今誰かにおすすめするならこの本かな。果たして3回目の読後感や如何に。
読中メモ
- “さりげない風を装いながら"、"さりげないふう"か、この本の雰囲気からすると"さりげないかぜ"って読んでもおかしくない感じが、主人公の描写からは読み取れた。
読後感
今回で3回読んだけど、良さは全く変わってなかった。第2章は儚く・切ない感じがして、第3章はとてもとても悲しくて涙が出てきて、第4章は切なくなりながらも心が温まった。主人公の神田くんは大学生で多分東大あたりの学生で、会話もウィットに富んでいて自分をメタ認知できている人物として描かれている。いろんな人との会話も一つ先を読んでいるものばかりで知性を感じさせる。そんな彼が死んでほしくないと思った人を助けるために、最後の最後頼ったのは理屈や論理ではなくて自分の気持ちを素直に相手にぶつけることだった。もちろんただぶつけるだけではなくて用意周到に色々準備はされていたけど、その論理的な思考の上にさらに感情が乗っけられていて非常に心打たれるラストだった。また時間あけて読み直そう。
- 作者: 本多孝好
- 出版社/メーカー: 集英社
- 発売日: 2002/08
- メディア: 単行本
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