※ネタバレ注意
Wシリーズ2周目 今まで各巻3ヶ月ぐらいのスパンを開けて読んでいたのでそれぞれ別の場所での話かと思ってたけど、結構前巻、前々巻は同じ場所だったし実は百年シリーズの舞台だったしと新たな発見が多くて驚き。
読中メモ
- 前巻でハギリ博士の研究していたパラメータの同定は12個ほぼ出尽くして完了したはずなのになぜまだ狙われるんだろうか。論文発表がまだ終わっていなくて敵対勢力からしたら脅威として認識されている状態なんだろうか。そのへんが人類の情報の伝達速度の限界なんだろうなぁ。
- 待てよ百年シリーズ後の世界だとしたら、護衛で持ってる銃とか敵が持ってる銃なんか一度ロックしたら音声で反応して撃っちゃうんじゃないか。敵の銃奪うとか危なすぎる。
- “(略)まあ、たしかに、それを入れるときの虚しさはあるかもしれない、とも思った。" 虚しさって単語が出てくるあたり百年シリーズとのつながりを感じる。"あなただけが生の虚しさを知っている”(虚覚え)
- 百年シリーズ第3巻「赤目姫の潮解」の話はもしかしてトランスファか。あれもしかして人間じゃなくて自律分散して分裂したデボラ同士の話だったのか??
- スットパか、人間のストッパは期限があること、すなわち死だろうか、それとも神の概念だろうか、とか思ったけど兵器として作られたわけじゃなければそもそもストッパが不要ですね
- やっぱ赤目姫の正体はデボラかなぁ、目が赤いのは赤外線センサだったからか。ということはこのWシリーズと百年シリーズは時系列的に交差してんのか。
- “そう、偶然だ。そんなものに頼るのは、人間だけだ。”
読後感
生きているとはどういうことか、生命とは何か、について非常に示唆に富んでいて面白かった。特に人間は人工物に近づき、人間が作った人工物が人間に近づいてくる過程での両者の対比から生命を考えさせられるところが、非常に興味深い。大抵の物語は人間が機械化していたり、機械が人間化する葛藤を描いているが、この物語はそのどちらでもなかった。こういう物語を読むと改めて人間の行為の無駄・無意味さが認識されて、人間らしさを思い出せる。
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